ギャルゲヱの世界よ、ようこそ!

ギャルゲヱの世界よ、ようこそ! (ファミ通文庫)

ギャルゲヱの世界よ、ようこそ! (ファミ通文庫)

《第10回えんため大賞 優秀賞》
イデアの勝利!
ギャルゲーの設定を現実に反映させることができた主人公は、ゲーム通りのラブコメ展開を期待する。
しかし、ファンクラブができるようなヒロインが現実にいればいじめられたり反感を買ったりするし、自分が攻略していないヒロインにだってそれぞれの生活があるわけで、ゲームなら通用する設定が、現実という壁にぶち当たって崩れてゆく。
咲の病気、姉の怪我、妹の不登校、幼馴染の両親の離婚
主人公の攻略意思に関係なく、全てのルートが同時進行し、なおかつゲーム通りの都合の良い展開では解決できない「容赦ない現実」が邪魔をする。
ゲームの世界が現実になったらいいな
という安易な選択が、大好きなゲームのヒロインたちを不幸にしてゆく
追い詰められた主人公は、責任を果たそうと奮闘を開始する――


甘々なラブコメかと思いきや、そこは優秀賞受賞作
ひねりが効いてて、途中からは現実の恐ろしさに薄ら寒くなってきてホラーかと
オタクへのアンチテーゼ的な内容ながら、しかしラストはさらにそれを覆すという3段構え
秀逸な構成でした。