さくらファミリア!

さくらファミリア! (一迅社文庫 す 1-2)

さくらファミリア! (一迅社文庫 す 1-2)

“借金で始まる家族もある!?”
月刊杉井光の3ヶ月目(死図眼のイタカ、神様のメモ帳3、さくらファミリア!、さよならピアノソナタ3)
タイトルはサクラダファミリアから取ったんだろうけど、こちらは単純に家族という意味。
帯に祐太と石狩姉妹のドタバタ借金ラブコメディって書かれてて、石狩姉妹て誰だよ!親父のペンネームと混ざってるよ!といきなり間違ってるあたり、製作がドタバタだったことがうかがまえます(あとがき参照)


ただのラブコメかと思いきや、ただのラブコメでした(ぇ
西尾維新化物語のように、常にハイテンションに突っ込みを入れる主人公を主軸に、作品背景はシリアスなのに全編ギャグ調で押し通していくあたりもとても似ているんだけど、かなりすべってます…。
劣化版化物語というのが一番ピッタリ。
残念です。
借金という設定は重要そうでさほど重要ではなく、主人公が持っているはずの前世のユダとしての記憶を思い出すかどうかが重要な要素。
キリスト教をモチーフに、聖書やら福音書の内容が出てくるので、読む前にある程度神話についての知識が必要かな。
神の子、ユダ、ガブリエル、ルシフェル神曲(ダンテ)、聖書、マタイ福音書
この辺りがキーワード。


いまいち設定を生かしきれていないのが残念。
神の生まれ代わりがどうこうという大きい話なのに、ほぼ家の中だけで話が完結する小さい話だし。
もっと学校を巻き込んだ壮大なドタバタっぷりを出せば面白くなったかも。


月刊杉井光の2作目である神様のメモ帳があまりにも素晴らしかっただけに、今一歩感はぬぐえず。
イラストが超GJ