西尾維新×デスノート(ネタバレなし)

DEATH NOTE アナザーノート ロサンゼルスBB連続殺人事件

DEATH NOTE アナザーノート ロサンゼルスBB連続殺人事件

西尾維新デスノートのノベライズやるって発表されたから漫画を読む気になったにわかデスノート読者のレビューってことをまずご理解ください。


で、アナザーノートって題名からてっきり人間界にまだあるらしいもう1冊のデスノートが出てくるのかと思ったけど、Lはキラに会うまでデスノートの存在を知らないのに事件は解決したって漫画でなってたように、この場合のノートはメロが書いた事件の記録帳みたいなもので、中身は普通にロサンゼルスの一つの殺人事件を解決するまでの話…と。


要するにただの番外編。
他のジャンプノベライズがジャンプJブックスから新書で出るのと違って、わざわざハードカバーで出すほどの内容…とは言えないと思うのが正直なところ。


内容については、誰にも話していない生まれつきの死神の目のことをどうしてメロだけは知っていたのか。という点以外はおおむね良好。1300円にしては薄いけど新書と同じく2段組なので文字数はそこそこあるので危惧されていたほどボッタクリというわけではなし。
というか、西尾維新ちゃんとミステリ書けるんだって思ったり(笑)
戯言シリーズの最後はどう見てもミステリーを完全に捨ててバトルアクションに走ってたし(^^;そのあとのファウスト連載の零崎軋識の人間ノックもだけど。
でもあとがきで、書いてみたらこんな感じでした、と述べてる通り結構勢いで書いた感じもしたりしなかったり。冒頭こそLの偉大さを語る、みたいになってるけど、すぐに美空ナオミの一人称視点になってしまって、もはやメロが書いた…とはお世辞にも思えないいつもの西尾文体(笑)設定なんて飾りですか。
それでも原作の雰囲気をそれなりに守っていて、ノベライズ物としては十分合格点だと思う。ナオミが砂糖たっぷりすぎのコーヒー飲んで吹いたり、赤ずきんチャチャ談義にやたらこだわりがあったりと笑えるネタもあるし(笑)それでも西尾維新ものとしては少し物足りない気がするのは俺の戯言シリーズへのこだわりゆえか。
というか「赤ずきんチャチャ」は何よあれ(笑)熱く語りすぎなのでは(笑)いまだ顔を公開していない覆面作家の隠れた一面なのか!?


発売日のレビューなんでトリックについては触れないけど、悪くなかった。むしろ戯言シリーズよりきちんとミステリしてた。オチも悪くないし。


メロの口ぶりではまだ2冊発売できそうな気配を匂わせてるけど、さてどうなることやら…。
俺はそれだったら、今年刊行予定の零崎軋識の人間ノックの連載まとめたやつと、りすかの0と3巻のほうを早く書いて欲しいんだけど…ほんとに今年中に出るのかかなり疑問、てか絶対延期する気がする…orz。