貴女の未来に幸あれ

予定表が正しいならば、今日はうちの大学は卒業式をやっていたはずだ。
3年の俺にまだ縁の無い行事。うちのゼミは先輩との交流が皆無だったし。
でも、学内の先輩で唯一の知り合いである姫が卒業なので、書き留めておこうと思う。
なにやら大学院へ進学するつもりだったけれど、うちの大学の院ではないようで。
今年度自体数えるほどしか顔を見ていないけれど、これで本当にお別れだ。
彼女の一言がなければ、今の俺はとても存在しなかっただろう。
姫には感謝してもしきれない…と言いたいところだが、姫は全く意図して言っていたわけではないし、勝手に誤解して不機嫌になって喋っていただけなので心中複雑なところ…。
同世代の中で最も俺に近い「自分の持ち方」をしている人。そして俺の知る全ての人の中で、俺の通っている道の上にいて、なおかつ俺の先を歩いていると明確に感じる唯一の人。
俺が認めた初めての人生のライバル。
もう会うことはないだろうけど、彼女にはこの先もがんばって欲しい。
卒業式には顔出さないけど、せめて祈ろう。
幸あれ。