英国王のスピーチ



監督:トム・フーパー
脚本:デヴィッド・サイドラー
主演:コリン・ファースジェフリー・ラッシュ


吃音症を患い、愛する娘(ダイアナ妃と結婚したチャールズ皇太子の母、現女王エリザベス2世)に童話も満足に語ってあげられないなど、コンプレックス持ちで弱気な王、ジョージ6世
彼を支える妻エリザベス1世
そして、エリザベスが見つけた医者資格すら持ってない平民の言語療法士?ライオネルの3人を主軸に展開する。


ジョージ6世は最初は全く頼りなく、王の器じゃないのだけれど、兄が人妻と恋に落ちてあっさり王位を捨てた(英国史始まって以来の大スキャンダル、通称「王冠を賭けた恋」)もんだから、嫌で嫌で仕方ないのに王にされてしまう。
そんな泣き虫の王様なのに、歴史の教科書では、この後第二時世界大戦を戦い抜いた善良王として記録されるほどの人物になる。
本作はその成長の舞台裏、ジョージ6世が吃音症を乗り越え、自信をつけるまでのドタバタを描いた、家族愛と友情の実話物語。


うまく喋れないことでイライラしたり子供っぽくスネたりする王様と、王室の常識にとらわれず、平民感覚で王と接するライオネル、献身的に支えるエリザベスの3人の笑いあり絆ありの演技が秀逸
ナチスソ連の影が忍び寄る中で、兄が駆け落ち同然で消えていっぱいいっぱいな王様の様子を、暗すぎず明るすぎずな物語に仕上げて、とってもイギリスに愛着が沸く。


英国王室というのは、いつの時代も実にドラマティックだなぁという話。