AURA ~魔竜院光牙最後の闘い~

AURA ~魔竜院光牙最後の闘い~ (ガガガ文庫)

“世界に不思議なことはあってもいいんだ”
田中ロミオ流学園ラブコメ
ってこのタイトルのどこが学園ラブコメなんだ！


と思わざるをえないが、悔しいけどコレ…ラストはきっちり学園ラブコメなんだよね…その辺きれいにまとめ上げてくるところが凄い。


しかしその真髄は、
イジメ、家庭崩壊、現実逃避、グループ派閥
これらを軽快な文体にギャグを織り交ぜたオブラートで包んだ熱血学園ドラマなのでした。


キモオタだった自分を捨てまっとうな高校デビューを果たしたばかりの主人公が、ぶっ飛んだ電波ヒロインとかかわったことから転げ落ち、本当の自分と、周囲との軋轢の中を右往左往する。
メンズかっこいいよメンズ。


よく笑えて、感動もできて、読後感もサイコー。
稀に見る名作です。
しかし…(元)邪気眼、中二病の読者は別の意味で涙目(笑)


現代版ドン・キホーテ、もしくは男女が逆になった「NHKにようこそ」（原作小説版）
一見はちゃめちゃな内容に見えて、悔しいけど５つ星をつけてしまう名作クオリティ。
田中ロミオはやっぱり天才でした。