バタフライ・エフェクト(DVD)

前々から気になっていたので、連休で時間を確保したため鑑賞。
ちょうど昨日、細井守版「時をかける少女」を見ていたため、どうも新鮮味が感じられなかったのは自己責任だなぁ。


中身は、タイムリープもので、人生で失敗した男が、過去の選択をやり直してなんとかしようとする。
しかし「蝶のはばたきが、地球の裏で竜巻を起こす」、カオス理論なタイトルから分かる通り、彼が過去で行ったたった一つの改変が、その後の歴史を予想以上に大きく変えてしまい、そのどれもがハッピーとは言えない展開ばかりで追い詰められていく。
いつの行動をどう変更すればみんな幸せになれるのか。
特に、どうしても愛する女性だけは救いたかった彼が最後に取る行動とは!


ということで、切ないハッピーエンド、が評判なのですが、良かったです。
細井守の時かけでは、過去をいじって自分が得をした分だけ誰かが不幸になる、という幸福量には絶対数があるんだみたいな問題に直面するのだけど、この作品ではひとつの行動の影響が大きすぎて時間跳躍の恩恵を制御しきれないという問題に直面する。
俺の中でタイムリープものの金字塔はバック・トゥ・ザ・フューチャーなんだけど、あれはタイムワープを悪人が利用することのリスクを問題として扱っているんだよね。


タイムリープものは似たような展開になりやすいとはいえ、あまりにもあらすじがネタバレしすぎでかなり後半までは読める展開が続くのだけれど、展開の早さや演出のうまさもあって飽きない。
主人公の性格がどうにも好きになれなかったけど、それを除いても、ためらいもなく釘に両手とも手のひらをたたきつける精神は理解に苦しむ。
いくら追い詰められていたとはいえ、ちょっと前まで普通に大学生やってた男にそんなことできないだろう。
しかしそれは些細な問題で、エンディングが素晴らしく、確かに話題になるエンディングだなと思いました。


セルDVDにはもともと監督が意図していた真のエンディングが収録されいるらしく、調べてみたけど、俺は公開版のほうが良いと思う。
ただどっちにしろ分からなかったのは、主人公が幼少のころ将来の夢として書いた絵がなぜあれだったのかというところ。
聖痕を演出するだけなら、あそこであんな絵を描く必要はないと思うのだけど。
真のエンディングのための伏線かと思ってたけど、調べてみたら真のエンディングはあの絵の通りじゃなかったし。
誰か知ってる人いたら教えてください。

評価7