半分の月がのぼる空

〝半分の月が輝いていた。
   その光が僕たちを
  照らしていた――。〟
ハイでましたラノベ読書家の間で昨年話題になった名作シリーズ第1巻。
実は最初の50ページで止まってましたスイマセヌ…。
なぜだか急に夜の匂いとスッキリした文章が味わいたい衝動にかられたため(ヴァルキリープロファイル2のストーリー性の乏しさに抑圧されてた(^^;)読書生活再開。イリスを楽しむためにもここらで物語欠乏症の苛立ちを緩めておくべきだ。
というわけで4巻が超感動するという本シリーズ。
1巻の時点ですでにかなり面白いではないか
橋本紡バトルシップガールシリーズは良かったんだけど、そのあとのリバーズ・エンド1巻が良いと思えなかったため半分の月がのぼる空(以下、半月)は4巻の評判につられて揃えていたものの読みきるだけのモチベーションが出てこなかった。リバーズ・エンド後半面白いとか聞いたけど。あらすじ見ても読む気になれなかった。


閑話休題
で、1巻。主人公祐一はたいして重くない病で入院することになるが、重病患者の病棟で里香に出会う。
祐一は看護婦の亜希子に里香の話し相手になってやってくれと頼まれる。
里香は気が強くてわがままだが、たまにとても諦観したような表情を浮かべ、祐一はいつのまにかそんな彼女のことが気になって仕方がなくなってゆく…。


ほぼ入院先の病院の中だけで完結しているし、話はやや薄めなんだけど、全編を通してうっすらと漂っている哀愁がなんともいえない雰囲気で心に深くにじみこんでくる。
あぁいい話を読んだなぁ。と思える。とても良かったです。
2章の終わり辺りの祐一の司への語りや3章の里香と山頂でのやりとりが特に良かった。
段々面白くなってくると言われるこのシリーズで1巻がこれだとこの先はそうとう楽しめる予感。
あとイラストもとてもキレイだし優しさがあってよいです。