レイン 外伝 仄暗き廃坑の底で

レイン外伝―仄暗き廃坑の底で

レイン外伝―仄暗き廃坑の底で

≪まずいなぁ。これは真剣に惚れてしまったわねー。≫
外伝だけれど、前半は4巻の後の話。
後半は外伝らしく過去編。ホークが書いた紹介状を持ってルーン・マスターであるヴァンパイアに会いに行くレイン。


前半のサブタイにもなっている「仄暗き廃坑の底で」はとりたてて面白みのない話だな、というのが正直な感想です。
ただこれまであまり目立っていなかった副官二人、特にレニの立ち位置にスポットをあてていたのは良。副官二人のわだかまりも消えて結束は固く。


後半の「ヴァンパイア・マスター」は話こそすっきり終わっているけど、傾国の剣の成り立ちを知っていることをにおわせるシルヴィアが結局それを語らなかったことで、若干未完っぽい不完全燃焼の感はある。
いやしかし、面白かった。
シルヴィアのキャラが非常に良。
100年や200年くらい余裕で待つわ、と言ってのけたレインへの信頼がツボ。
傾国の剣の話もあるし、いずれ本編にも登場して欲しい、外伝のみの使い捨てキャラにするには惜しいヒロインでした。


次回第5巻。第6巻は来年2月か3月ころには出るそうな。

魔王降臨!

魔王降臨! (ジグザグノベルズ)

魔王降臨! (ジグザグノベルズ)

初めてジグザグノベルズ(ZIGZAG NOVELS)レーベルの本を買いました。
そして多分最初で最後。


レーベルが立ち上がって1年でリーフ出版が倒産してしまいましたからね…。


レインで知った吉野匠氏の著作がジグザグから出ていると知った時は「もはや入手不可能になってるんじゃないか!?」と思い焦りましたが、Amazonに在庫あったので良かった…。


てことで魔王降臨。
前半の第1話だけで良く、第2話は蛇足のようにも感じられます。
というくらい第1話がきれいにまとまっていた。
軽快なラブコメアクションでした。
魔界のトップフォーと言われる4人組から察するに、これはレインの中で魔人の話で出てくるトップフォーのことかね。魔法の名前もレインシリーズと同じだし。
世界観が共通であるのなら、別レーベルで出版されているこの話のキャラたちはレイン本編には出てくることはないだろうし、レインに張りまくられている伏線のいくつかは、作者の共通世界観の仕込みというだけであって、ストーリー上はあまり重要でないばかりか、最後まで明かされないものもあるのかもしれない。


エルが耕作の真摯な態度に打たれ、態度を改めていく過程が良かった。
これはいざというときのレインの真摯な態度に周りの人が認識を改めていくというレインの展開と似ていることは似ている。主人公が最強な点もそうだし。