星を追う子ども



・脚本・監督・原作 : 新海誠
作画監督・キャラクターデザイン : 西村貴世
美術監督 : 丹治匠
・音楽 : 天門


ほしのこえ」「雲のむこう、約束の場所」「秒速5センチメートル」で話題の若手アニメーション監督、新海誠の最新作。
公開初日の初回上映で行ってきました。
ほしのこえはたった一人で作った同人映画で東海地区ではもちろん公開ナシ、雲のむこうはボロさに定評のあるシルバー劇場、秒速5センチは新しくてオサレだけど、席数はそんなに大きくない伏見ミリオン座での公開ときて、今回は遂に109シネマズでの公開!
新海監督も有名になったもんだ。まぁそれでも愛知では1館だけの上映という事実は変わらないが。


で、肝心の中身ですが、
ムスカ、テト、ヤックル、飛行石、ラピュタで出てくるロボット、アシタカの旅立ちシーン、目が!目が!などなど…


あれ?俺ってジブリの最新作見に来たんだっけ?


というわけで、ジブリリスペクトでした。
それにしても…詰め込みすぎでは。


1コマ1コマは迫力あるし、天門先生の音楽が相変わらず素晴らしく盛り上げてくれるのでいいんだけど、2時間枠なのに次々シーンが切り替わってやたらと駆け足展開
それでいて、実際には時間長いので手間かけてられないのか、これまでの驚異的な背景美もワンランク落ちてる感じが見えていて、作画クオリティにハラハラする。


そこまではまだ許せるとしても、やはり脚本が迷走しているのが難点。
石を持ってた父さんの正体とか、シュウの目的とか、いろいろ伏線を投げっぱなしにしたり、母親が心配してるようで最後全く心配してなかったり、他にも矛盾を感じるというか端折ってる感
しっかり描けば、泣けるだろうシーンもあるのになぁ


特に、新海監督の最大の魅力は
胸を鷲掴みにされるような、切なるモノローグと哀愁なのに
主人公を女にしたことで、モノローグとかすっぱり無くなってしまった。
今回は本当に脚本でヤラかしてしまった。
新海節を期待するファンなら多くの人がコレジャナイ感を語ると思う


既に多くのレビュワーが指摘してるように
ジブリを学んで一般層を取り込もうとしたら、従来のファンも新規も満足しない中途半端さになっちゃいました。
これに尽きる。


雲のむこうのブルーレイ見ながら、また4年待ちますか…