読書の時間よ、芝村くん!

読書の時間よ、芝村くん! (一迅社文庫 に 2-2)

読書の時間よ、芝村くん! (一迅社文庫 に 2-2)

私はこの世界が嫌いだし、
この世界も私が嫌いです。
世界も私も、
価値がありません。

幻想症候群で絶賛した西村悠の新作。
あれは幻想的でありホラーであり哀愁であった感動作でしたが、今回はいかにもなライトノベル
表紙も扉絵もあらすじも、どれ見ても主人公は男だと信じて疑わなかったので意表を突かれました。
まさかタイトルにもなってる芝村くんが脇役で出番も少ないとか…。


話自体は、シンドバットとアーサー王物語をベースにした冒険もの。
本の中に入る組織とか背景を置き去りにしたまま進めるので、マキノビの危険性がよく分からないままで緊迫感に欠ける。
そして芝村くんこと和樹の影が薄くて、ヒロイン二人がなぜ彼に強烈に惹かれてるのか伝わってこない。
全体的に、地味かな。
もうちょっと和樹の活躍が欲しかった。