ROOM No.1301 第11巻

ROOM NO.1301 #11  彼女はファンタスティック! (富士見ミステリー文庫)

ROOM NO.1301 #11 彼女はファンタスティック! (富士見ミステリー文庫)

倒れた冴子
13階を去る綾
残された健一は悲しみと孤独にふさぎ込む
刻也はそれを見て…


最終巻
あぁ…終わってしまった…。

「私だって有馬君には幸せになって欲しかった」
それを口にした途端、刻也は泣き始めた。

ここで涙腺崩壊(ノД`)
あぁもう取り返しがつかないんだ、と。
そして刻也の優しさとガマンに泣いた。

「誰でも年をとれば望むと望まざるとにかかわらず、大人であることを求められるだろう。だから私はちゃんと望んでなりたい大人になりたいのだ」
なりたい大人になる。それだけのことが思ってるより、きっと大変なことなのだから。

刻也さん…。
俺ももっとがんばろう、そう思った。


全体としては、やはり消化不良感は否めない。
冴子が倒れた後の冴子編あっさり具合
冴子のセックス依存症の真実はやはり弱いし、刻也の部屋や背景は明かされていないし、狭霧編は薄いし鈴璃は出番少ないし、つばめにいたっては最後出番無いし…。
千夜子が13階のジンクスである、13階を去るともう二度と住人同士は会うことができない、を破れる要素であることは伏線として不自然じゃないけど、あまりにもあっさり会えたし中身が無いので感動が無い。
さらにその後の後日談はROOMらしいといえばらしいオチだけど、どうなんだろ。
雨音、圭一郎、錦織、早苗、などなど
このシリーズの登場人物を取り巻く、かつて13階にいたであろう住人たち。
彼らの物語がハードカバーで別で出る予定だったが、発売中止になってしまったことが何よりも残念でならない。


本当に良いシリーズでした。
富士ミスレーベルを打ち切りにする際、ファンタジアに移籍させてシリーズ継続にしなかった編集部を呪うぞ…。