レッドクリフ Part I

監督:ジョン・ウー
脚本:ジョン・ウー、カン・チャン、コー・ジェン、シン・ハーユ
音楽:岩代太郎
主演:トニー・レオン周瑜)、金城武孔明
サブ:中村獅童甘興


赤壁の戦いに至るまでの過程と前哨戦を描いた、
中国映画史上最大規模の予算で作られた三国志映画の前編


とっても…ジョン・ウーです…
国内映画興行ランキング2週連続1位ということで、そんなに良いのかと思って見に行ってきました。
いかにもジョン・ウーな映画でしたね。
ジョン・ウーにHEROとかLOVERSとか中国大作映画のアクションを混ぜるとこうなるんじゃね?という映画ファンの予想にぴったり収まっている(笑)
剣や槍の腹で弾き飛ばすだけで倒したことになる奇妙なバイオレンス要素の薄い軽い音の戦闘なんてとても中国映画的。
あとはスローモーションと白いハトと2丁拳銃…はさすがに出てこないので二刀流ですが、いつものジョン・ウー3大要素です。


何が残念て劉備がどうみてもカスリマ性のないただの農民のおっさん(しかも戦わないし指揮もしないし、わらじ編んでるだけ…)で、孫権が意気地なしだけど酔うと気が大きくなるダメ人間で、曹操はカリスマはともかく女に狂ったキモ親父という、三国のボスがしょぼすぎるところ。
戦線を支える趙雲関羽張飛、それと主役の二人はあんなボスの下でかわいそうになってしまう。


トニー・レオンインファナル・アフェアの頃の方がかっこよかったように思えるおっさんぶりだけど、真・三國無双では冷静キャラとして描かれている孔明が、いつもの金城武キャラで結構ひょうひょうとした感じで、つかみどころのないキャラになっているのは面白い。
どうも遊び人のように見えてしまうのは、孔明が全然頭よさそうに見える戦術を使っていないせいもあるが。
猛将たちは何故か素手で敵に殴りこんでたり、いきなり武器を投げつけてあとは現地調達したりと戦が根底からおかしいので、孔明の小細工めいた奇策とかめっちゃ影薄いし(笑)
あと、中村獅童は軍隊教練の鬼としていい演技してます。


かなりむちゃくちゃな映画です。
原作ファンは激怒するかもしれないので、エンターテイメントと割り切って見られる方向け。


評価7