レイン〈4〉世界を君に

レイン〈4〉世界を君に

レイン〈4〉世界を君に

≪俺は覚えているぞ≫


――世界を君に
第2部-完-
といったところ。2巻から始まるサフィール軍との内戦、シャンドリスの侵攻に終止符。
今回はページ数の多い番外編も熱い!
唐突にシェルファの秘密が明らかにされる展開は強引だが、上記のセリフのかっこよさにすべて許せる。
神将ジョウとレインの一騎討ち。
サフィールの決死の覚悟は見せ場として必要だったのかは一考の余地ありだけど良かったと思う。ルディックの退場は惜しいけど。


いつの間にか出世しているミランにも注目。
「……まあ」
「いや、『まあ』じゃなくて」
レインとシェルファの逢引を目撃してみたり、夜の食堂に将軍レインと副官レニと普通に会話しながら食事したりと、もはや立派なレギュラーメンバーの一員じゃないっすか。
読者の代行者のごとく感情移入しやすいキャラなので、今後の活躍に期待。
一般兵がだんだん有力者の仲間入りを果たしていくって過程はくすぐられるねぇ。


ウェブ連載の小説をまとめて出版しているこのシリーズだけど、お約束要素を満載しつつも独自の世界観と構築していて、明らかに多すぎる登場キャラの個性をなんとかさばいている手腕も確かなもの。
かなり面白い。
ひたすらに広げまくっている伏線をどう回収していくのか、今後の展開が楽しみ。