となり町戦争

となり町戦争

となり町戦争

ちょっとe-honサイトで話題になっていたので知り、おもしろそうだったので読んでみました。
第17回小説すばる新人賞受賞作。
すばる新人賞受賞作を読んだのは、村山由佳天使の卵以来のまだ2作目。
面白かったですが、主人公にとっては本当に「見えない戦争」なので、どちらかというとラブストーリーのように感じました。
読後感は肌にひんやりときます。冬の空の冷たさ、みたいな。
ただ、帯についている宣伝文句はいろいろおかしいような気がします。
新しい「戦争のリアル」がここにある。とか、「私たち」が本当に戦争を否定できるかを問う衝撃作。とか。
いや、だって最後まで戦争見えないし…。
主人公が唯一感じた戦争のリアルが、彼女と離れる痛みだって言うんだからそれはおかしいでしょう。
あれですね、学校の国語の問題の「作者の気持ちを答えなさい」ってのと同じか。
学校の先生は答えを用意していますが、本当にそうか?って思うことは多々あり。
というか俺が受けたセンター試験でも、これどっちも正解だろ?って本気で思ったし(結局不正解だった…)、本当は「うおこれは名作になるぞぉ、ここ哀愁がうまく漂ってるし!」とか思いながら書いてたかもしれないし…。というか俺はそう思いながら作文書いたことがあるのですが

閑話休題

何はともあれ、俺はこの本は見えない戦争より、見える恋愛のほうが心に残りましたってことです。いや、おもしろいよ。結構読ませる勢いはあります。


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